2010年2月 8日 (月)

着物地で作るトートバッグ 持ち手の縫い方

明日からは少し暖かくなるらしいけど、昨日は鬼のように寒くて、暖房フル回転の室内に居ても手が悴んで、家事すら捗らない始末。
大寒がポカポカ陽気で、立春過ぎてこの寒さって一体どうなっているんでしょうね、この冬は。

着物地を組み合わせたトートバッグも、先日お披露目した以外で3点があと内布と縫い合わせるだけとなり、近々公開の予定なんですが、またもや3点も同時進行したもんだから飽きてしまって、ちょいとペースダウンしております。

それまでと言っては何ですけど、今日は持ち手の縫い方をご説明します。
が、縫い方はこの限りではありません。あくまでも我流です。

Kimonotote_recipe_h1

表布の長さを、裏側の別布より2.5~3cm長めに裁ちます。
勿論、裏側の別布を短く裁っても。って同じことか・・・
その2枚を中表に合わせ、先に2本の短辺を縫い合わせて (輪状にする) 畳むと、画像のように差の1/4の表布が裏側に回りこんできます。
縫い代を割って短くカットしてから、片方の長辺だけ縫って表に返します。
(画像では両辺ともミシンを掛けてありますが、片方は縫わない方が綺麗に仕上がります)

Kimonotote_recipe_h2

表に返したら、出来上がりの持ち手幅になるよう、もう片方の長辺縫い代を折ってミシンステッチで塞ぎます。
画像左が裏面、右が表面の仕上がり。

Kimonotote_recipe_h3

持ち手紐2本、持ち手タブ4本、カン4ヶ揃え組み立てていきます。

Kimonotote_recipe_h4

持ち手紐はカンに通し、端から3cmの所で折り返し縫い留めます。

Kimonotote_recipe_h5

持ち手タブの方はピッチリ半分に折るのではなく、端を5mm程ずらしミシンで仮留め。
ずらすことによって、僅かですが縫い代のアタリが本体表から目立たなくなります。

Kimonotote_recipe_p1

本体の上段と下段をそれぞれ筒状に縫い合わせたら、

Kimonotote_recipe_p2

組み立てた持ち手を上段に縫い留めます。
画像では既にポケット布を縫い付けてありますが、持ち手間内に収まる幅でしたので先行しました。
先日公開した図面ですと、ポケット布幅は持ち手間を超えますので、必ず先に持ち手を縫いつけてからポケットを仕立てます。

次回はそのポケットの縫い方です。
このバッグの縫製作業で一番イライラするところかもしれません。(^^

2010年1月29日 (金)

着物地で作るトートバッグ 裁ち方と布合わせ

古裂を収集していると、中には柄を有効に使いたい布が出てきます。
大柄の銘仙とか、刺繍の施してあるもの、縦方向に続く絵的な染物などなど。
せっかくのいい柄を、小物作りで切断してしまうのは勿体無いですよね。
もし、コレと言った使い道が無いならトートバッグに仕立ててみませんか?

でも、そんな柄布は悔しいことに、バッグにするには用尺が足りないハギレになっていることが多いです。
そこで、今回ご紹介するパターンは別布と組み合わせる形にし、なるべく無駄を出さないように、全ての寸法を決めてはおらず、お手持ちのハギレの長さによって調節する部分を設けました。
用意する布は3種類で、各配分は以下のようになります。

  A(柄をアピールしたい主役布):本体表
  B(Aを引き立てる脇役布):本体表、持ち手・持ち手タブ表側
  内布:本体裏、持ち手・持ち手タブ裏側、前後のポケット内側

AとBは、ミニマム35cmの全幅を前提としていますが、倍の長さがあれば半幅でも作れます。
内布は、現行品の生地でもいいでしょう。

Kimonotote_recipe_all

これがその、布をいっぱいいっぱいに裁って作る、大容量のトートバッグのパターン。
数値は縫い代を含んでいません。
ポイントは本体両脇を「わ」にして裁つことと、中央の切り替えを利用したポケットです。
但し、布が半幅の場合は、本体前後面を両脇で縫い合わせます。

(固定)となっている箇所はその数値通りに、他は好みの寸法、又は手持ちの布の大きさによって調整します。
その箇所と、図面内に記載していない寸法については、

※1 ここが12.5cmになる時は、同じ布内に持ち手を並べて裁った場合(後述参照)の寸法。もう少し短くても大丈夫です。
15cmは単独で布幅いっぱいに裁てて、且つ中央のF・Bと同寸。
※2 このマチの箇所だけ、縫製途中の段階で全体のバランスを見てから、好みの寸法にカットします。
脇を「わ」にした時は縫い代がありませんから、8cmのマチを作るには、前後2枚重なったまま一緒に横3×縦4cmにカットします。
正方形にカットすると失敗します。ご注意ください。
※3 ポケット布の横寸法は、15cmのポケット口より左右1.5~2cm大きくし、縫い代を加えて20~21cmに裁ちます。
縦寸法は入れる物に合わせて、好みの深さにします。
一つのポケットに2枚必要になりますが、細長い1枚を底を「わ」にしても作れます。
なお、持ち手は40cm以上の長さがあれば肩から掛けられますが、本体に被る分とカンの折り返し分等を加えて58cmと長くなっています。

次は布合わせ例と、それに伴うA布の裁断図です。

縦の数値は、上のパターン図に於ける28cm(最大)にする際の必要量であって、少々足りなくても仕立てることができます。

Kimonotote_recipe_a30

●A30
A布が30cmまでと短いハギレなら、縦2等分して中央下段にだけ配置します。
ワンポイント風ですね。

Kimonotote_recipe_a40

●A40
A布が40cm前後あると、このような組み合わせができます。
縦にキッチリ分割されるので、大胆な布合わせをしても面白いです。

Kimonotote_recipe_a50

●A50
更に50cm前後となると、先日アップしたバッグの布合わせが可能。
この市松的な組み合わせは、柄の雰囲気や密度が似ている布どうしの方が、無難にまとまると思います。

最後はB布の裁断図。

Kimonotote_recipe_b90

この図は、同じ布内に持ち手も並べて裁つ、最小限のレイアウトです。
●A30ならば90cm、●A40・●A50だと80cm要します。

図面の説明だけなのにダラダラと長くなってしまいましたが、こうして可視化もしておかないと、いざ裁断という時に結構ミスしてしまうものです。
まぁ私の覚書も兼ねているってことでご理解くださいませ。

2010年1月20日 (水)

着物地で作るトートバッグ

今日は大寒だというのに、ポカポカと好天に恵まれました。
冬は鉛色の空が殆どのこちらではとっても珍しいお天気とあって、この時とばかりに仕上がったばかりのバッグの撮影を、例によって屋外で行いました。

昨年秋に血眼になって掻き集めた古裂も、三ヶ月を過ぎると興ざめするというか (あはは)、勿体ぶらなくなってしまう私でありますが、
この時期が惜しみなく鋏を入れて、爆縫するグッドタイミングなのであります。

着物地って幅が35cm位と限られてますし、素敵な柄はハギレでしか入手できないこともありますよね。
1種類で繋いで作ると、いかにも縫い繋いで作りましたって感じになるじゃありませんか。
それでは芸が無いと思って、限られた寸法の中でどーすれば普段使い可能なバッグに出来るかと、知恵熱出そうなくらい悶々とすること数日。^^
大したこと無いくせに、あーでもないこーでもないと考えた末、表側は2種類の生地を組み合わせることに至りました。

デザインは、厚着でも肩から掛けられること。
あと、現代っぽく何か光モノを加えてみたくて、金属のカンを取り入れてみました。
そのカン類については、角田商店さんがいろんなタイプを取り扱っていて、お値段も手頃なんでお勧めです。

Kimonotote_pg_front

偉そうに吠えてて、完成したのがコレでございます。
中央縦地布の幅をもっと広くして、その分両サイドのピンク地を縮めれば良かったと、内心は不満な出来。

Kimonotote_pg_detail

中央の切り替えを利用した外ポケットです。
構造が、過去にアップしたお子ちゃま向けの2ウェイバッグのファスナーポケットと似てますが、違う点は手を入れると中が広いことです。

次回から、これを元に改良した図と、持ち手とポケットの縫い方なんぞを順次ご紹介していきます。

2010年1月 6日 (水)

男女兼用出納ケース

あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

皆様はどのようにお正月を過ごされましたか?
私なんか毎年のことながら、沢山やり残しを抱えたまま新年を迎え、三が日はダラダラしておりました。
ショップページのリニューアルも結局手を付けずじまいだったし、大掃除も一週間前から取り掛かっていたのに全部は間に合わなかったし・・・
そんなこんなで年末・年始ったって、気分的にも普段と変わらなくなってきた感じです。
お目出度いと思えるのは、TV番組だけのような(笑)。

さて、2010年のスタートは、昨年末に更新し損ねた試作品で、以前に製作した三つ折ケースを応用した機能重視の男女兼用デザイン。
男性はほれ、女性と比べると短気でガサツ、少々乱暴な面がありますから (典型的なのがうちの亭主) 、ワンタッチ開閉、単純且つ頑丈な構造を課題にして作ってみました。

Financialcase_front

サイズはA5判。
握れる程大きいフラップにメインの柄布を使用。

Financialcase_back

背面です。
フラップの付け根は、本体布の切り替えに挟んでガッチリと。

Financialcase_inside

開くと8枚収納可能なカードポケットがあって、

Financialcase_pocket

外側にも出し入れし易いポケットと、までは良かったのですが、あれれー、、
フラップにマグネットボタンを付けてしまいました!
これでは、磁気でパーになっちゃうデンジャラスケースじゃん!の、失敗作でございます。(^^;

そんな間抜けな更新もありますが、
本年も引き続きご高覧くださいますようお願い申し上げます。

2009年12月27日 (日)

シュシュ グラニー レシピ step3

クリスマスも過ぎて、迎春ムード一色になってまいりましたね。
予定外の用事をこなしていたら、更新が遅れました。すみません。

さぁ、いよいよ今回はシュシュ グラニー レシピの最終回です。

Chougranny_recipe08

内布の返し口から、表に返します。
何だか、ふやけたエイみたいですね。^^
持ち手紐が出ている所 (BC間) の、本体の縫い代を、

Chougranny_recipe09

内側に折り込んでアイロンで整えておきます。

Chougranny_recipe10

本体の外布と内布の境もアイロンで整えたら、C→D→マチ上を経由して後ろ側のD→Cにミシンステッチをします。
ステッチは3本。
端から2mmと端から8mm、そして糸印から2mm下の位置に。
端から8mmのミシンステッチをかけることによって、本体カーブにフリルが発生します。
フリルが必要ない場合は、この2本目のミシンステッチを省略してください。
また、くれぐれも中に通っている持ち手紐を、ミシンで縫ってしまわないよう慎重にステッチします。

Chougranny_recipe11a

ミシンステッチをかけたら、本体にギャザーをよせていきます。
本体際辺りで、持ち手紐にマチ針をうち、

Chougranny_recipe11b

引き出します。
引き出し分は9~12cmが適量かと思います。
因みに私が作ったのは、9cmです。
このギャザーの分量ですが、バッグが完成してからは変更出来ませんので、この段階で好みの感じになるまで調整してください。
引き出し寸法が決定したら、マチ針をうち、しつけ糸で固定します。
残りの3本も同様に、同寸法引き出します。

Chougranny_recipe12

そして、中央のカーブにミシンステッチをします。
今度は端から2mmの、Aを経由したC~C に1本だけ。
このステッチで持ち手の長さもギャザーも固定されます。

最後に内布の返し口を、コの字はぎで閉じて完成です。

2009年12月24日 (木)

シュシュ グラニー レシピ step2

レシピstep2の今日は、本体を縫い合わせる内容です。
一般的なグラニーバッグは、裁ち目をテープや共布でくるむため、外布と内布を出来上がりの状態 (中裏) に合わせますが、このバッグの場合は逆の、中表に重ねて縫い合わせていきます。

縫製箇所につきましては、パターン内のアルファベットを用いてご説明しますので、先述のパターン画像で確認しながら進めてください。

Chougranny_recipe05

外布と内布を中表に合わせたら、左右のカーブを縫っていきます。
C→D→マチ上を経由して後ろ側のD→Cの順に。もう片方も同様に縫い合わせます。

Chougranny_recipe06a

糸印をマチの中心、縦位置は本体の縫い目より1.2~1.5cm下がった位置に持ち手紐を合わせ、手縫いで本体縫い代だけをすくうようにして留め付けます。
持ち手紐上側の、糸印の左右2箇所で充分です。
面倒でもこれをしておかないと、後でギャザーを均等によせることができません。

Chougranny_recipe06b

左右を留め付けた状態です。

Chougranny_recipe07a

次に本体上部の中心カーブを縫い合わせますが、その前に、本体と接していない持ち手紐のグリップ部分を、外布と内布の間に落としこんでおきます。
前後面ともマチ針をうって、

Chougranny_recipe07b

B→A→Bのカーブを縫い合わせます。
カーブ縫い代に切り込みを入れたら、布の裏側での作業は終わりです。

次回のstep3は、そこから先の、表に返してから完成までをご説明します。

2009年12月23日 (水)

シュシュ グラニー レシピ step1

うっわー、クリスマスが目の前となってしまいました。
駆け足で更新していきます。

Chougranny_top

このデザイン、どこから見ても内布が丸見えです。
それを長所にして、相性が良ければ柄どうしの組み合わせもいいですし、外布を無難な無地にし内布に大胆な柄布を使えば、メリハリが出て粋な感じになるかと思います。

外・内布共、最低用布サイズは巾85×長さ75cm。
できれば薄手の接着芯も張っていただくと、シルエットが安定します。
布を左から30cm (耳は除く) のところで折って、中心を 「わ」 にした本体を縦に移動して2枚裁ち、残りの縦地でマチと持ち手を裁ちます。
内布も同様に。
持ち手のみ布に直裁ちで、1cmの縫い代を含んだサイズが4×62cmのものを、外・内布共2枚ずつ用意します。

Chougranny_recipe01a

本体とマチを裁ったところ。
外布にだけ左右のカーブから下に5cm下がった所に、平行に糸印を付けておきます。

Chougranny_recipe01b

この糸印が役目を果たすのは、縫製の終盤です。
中にしつけ糸が残ってはいけませんから、全て抜き取り易いよう必ず糸印の結び玉は表側に。

Chougranny_recipe02a

先に持ち手紐を作ります。
外・内布共それぞれ両端を縫い合わせ、輪状にし、その縫い代は割っておきます。
次に、縫い代で嵩張らないよう互いの縫い目を5cm離して、外布と内布を縫い合わせます (画像参照)。

Chougranny_recipe02b

もう片方を折って縫い合わせ、2cm巾の輪状の持ち手が出来たら、縫い目をずらした5cmの中間に糸印を付けておきます。

Chougranny_recipe02c

これで、120cmの輪状の持ち手が完成。

Chougranny_recipe03

本体とマチを縫い合わせていきます。
内布には15cm程の返し口 (縫わない部分) が必要となります。
底でも脇付近でも、お好きなところで構いません。

Chougranny_recipe04

マチと縫い合わせた、外布と内布です。

今日はここまで。^^
次回は一番ややこしい?合体作業になります。

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