2009年12月20日 (日)

パターンと製図方法

パターンと言っても、図面をそのままプリントアウトして直ぐ使える原寸大ではなく、ご自身で製図していただく形になります。
囲み製図ですので、手芸本や洋裁本から型紙を起こした経験のある方なら一目瞭然ですが、製図は初めての方でもお分かりいただけるよう、手順もご説明します。

A3判サイズ以上の用紙を2枚用意します。
一枚は本体、もう一枚がマチ分で、持ち手紐は直裁ち。

Chougranny_s

↑の画像の上が本体、下がマチのパターンです。
先ずは、本体の製図から、

 ① 29.7×36.5cmの長方形の枠を描きます (パターン内の青い線)。
   A3判なら横幅がパターンと同寸法ですので、底辺だけ引くだけで済みます。
 ② 枠外の数値通りに、線上に点 (印) を付けます。
 ③ 枠内の黒い線通りに、点と点を結びます。
 ④ 3箇所のカーブを描いていきます。
   (手描きで上手くいかない時は、紙紐を置いてカーブを作り、その際をなぞるといいです)
   A~C、C~Dのカーブは、それぞれ黒い線の中心から、直角に数値分下がった所が、
   最も深くなるように描いてください。
   底のカーブは、Dの角から16.5cm下がった所と、Gから2cm離れた所の間になります。
   青い枠線上の交点から、角度を2分割した線を引き、その3cm上がった所が
   接点になるよう描きます。

 以上が赤い太線、つまり1cmの縫い代を含んだ本体のパターンです。
 また、C~Dのカーブと平行な5cm下の点線間には、持ち手紐が通ります。
 この幅は、布に直接定規を当てて糸印を付けますので、パターンに描く必要はありません。
 そして、マチの製図に必要な、カラシ色の本線 (赤の太線より1cm内側) を引き、
 D~Gの各間をメジャーで採寸しておきます。

採寸したら、マチを製図します。

 ① 今度は紙を横長に置き、左端から12cm幅の平行線を引きます。
   中心を同じにして、右端まで3cm幅の平行線も引いておくと
   いいでしょう (パターンには無記載)。
 ② Gの 「わ」 となるマチの中心垂線から、G~F分移動した点がコーナーとなり、
   その先は3cm幅の線と交わるよう、F~D間の寸法の斜線を引きます。
 ③ これで本線が描けましたので、後は1cmの縫い代分 (赤い太線) を
   上下外側に引いて、マチのパターンも完成です。
   なお、本体・マチ共、EFGの各点は合い印も兼ねますので、布にも印を付けます。

製図は以上です。
カットする赤い太線は1cmの縫い代を含んでいますので、パターンに沿って布を裁ってください。

2009年12月18日 (金)

グラニーバッグ アレンジ

寒くなりましたね。
こちらも昨日から雪が降っていまして、年末らしい気候にはなったものの、気分は普段のままで、なかなか重い腰を上げられません。
ぼちぼち大掃除でも始めようかなぁと思いつつも、また一つ新作バッグを仕上げてました。

今回はグラニーバッグ独特の、中央に畳んだタックの分量を左右のカーブに分散させて、ギャザーを寄せたらどんな感じになるかと、先述のグラニーバッグのパターンをベースにアレンジしてみました。

クリスマスももう直ぐですし、お粗末ではありますが、次回からこのバッグのパターン&レシピ公開という、ささやかなプレゼントをさせて頂きます。
製作目的の定まらない布がございましたら、是非作ってみてください。
とりあえず今日は、画像でそのアレンジバッグのご紹介のみになります。

Chougranny_out

本体、持ち手、マチの3部構成。
デニムや帆布などの厚地でさえなければ、どんな素材の生地でもフンワリとした仕上がりになりそう、でしょ?(^^

Chougranny_detail

あのヘアアクセサリーのシュシュみたいに、フリルもたっぷり発生するところから、勝手に 「シュシュグラニー」 と呼んでますの。
因みにシュシュとは、フランス語で 「お気に入りのもの」 を意味するのだそう。

Chougranny_in

裏返して、リバーシブル使用も可能。
この内布は、例の大袋に紛れ込ませた羽織からなんです。

Chougranny2

もう一点。こちらは先述のグラニーバッグと底のカーブが同じで、マチ無しタイプ。
方向性の無い柄なら、着物の袖2枚を横長に置き、中心を 「わ」 にして裁って作れます。
但し、パターン&レシピはありません。

如何でしょう。
クリスマスまでには完結するよう順次アップしていきますので、ハンドメイドの参考になれば幸いです。

2009年12月 5日 (土)

プレイン グラニーバッグ

グラニーバッグ完成しております。
2年も前ですが初めて製作した時に、ある程度製図と縫製の要領は得ていたので、今回は割りとスムーズにできました。

グラニーバッグはオークションを覗いてみてもガンガン出品されてますし、入札も結構入っているところを見ると、まだまだ人気があるようです。
ただ、どうなのかなぁ。どれも若い人向けのような感じがして、私の年代では抵抗があるんじゃないかしら。
そこで、年配の方でも持ち歩けるようなグラニーバッグがあってもいいんじゃないかと、また作ってみた訳です。
着物地で製作することも想定すると、課題は、

 ① 極端な横長と大きな丸みは避けた形にする
 ② タックの分量を少なくして、ボリュームを抑える
 ③ 上部のカーブは緩やかにする

とかなんとか言っちゃってますけど、完成画像は以下になります。

Granny_front

この季節にバッチリ南国風の柄布で。^^
実はこの布、何年か前に自分用の巻きスカートでも縫おうかと買ったものです。
最近は滅多にスカートははかないし、さっさと試作バッグ用に鋏を入れちゃいました。

Granny_top

本来なら縁取りと持ち手には市販のアクリルテープを使いたいところですが、試作なので失敗して無駄になっては嫌だから、共布の残りを使いました。
持ち手部分は縦地に、縁取りにはバイアスに裁ってカーブにフィットさせます。

Granny_side

横マチは上端にかけて細くしてスッキリと。

後はレシピを追加し、ショップページにてこのグラニーバッグの型紙を配布したいと考えています。

2009年11月30日 (月)

只今、グラニーバッグ試作中

11月も今日で終わりじゃありませんか。
早いなぁ、今年もあと残り1ヶ月。
やだやだ気忙しい師走は。

2年前の今頃だったでしょうか、初めてグラニーバッグを作ってみたものの、あまりのボリューム感に愕然となっちゃって、自分で勝手にデザインしたくせにメタボなバッグとかグラマーバッグなどとボロカス評価してたのですけど、何でかまたそのグラニーバッグの製図をしていました。
今度はボリューム感を抑えたデザインで、既に試作品も完成まであと一歩のところです。

今週中には撮影もして、アップできそうです。
また、アレンジした形のバッグも考えておりますが、他にもニッティングバッグやランチバッグも作りたいし、着物地を使ったトートバッグのイメージも固まってきてるしで、後はたっぷりと没頭できる時間が欲しいところ。

しかし、年末までどれ位できるかなぁ。

2009年11月13日 (金)

ふわコロッ、フラップポーチ2

やっぱり未洗濯の着物を、そのまま保管しているのは気が楽じゃなくて、最近ずっと解き→洗濯→アイロン掛け→解き→洗濯→アイロン掛け→解き→洗濯→アイロン掛け・・・あたしゃ洗濯ババァか?みたいな、気が遠くなる作業をしておりました。
例のあの大袋一杯ですからいくらやってもキリが無く、この作業が趣味化しつつあったのでこりゃいかんと思い、今は中断して布合わせをしてみたり、型紙の製図に取り掛かったりして、ようやっと創作再開です。

なので、今日は古布に片足を突っ込む前に製作した、フラップポーチの第2弾をご紹介します。

Flappouch_front

可愛らしい物を好まない私にしては珍しい、花柄を使って。しかも6点も。
この布6点共がですねぇ、いつどこで購入したものなのか、もう記憶に無いのですよ(笑)。

Flappouch_side

6cmあるマチは、本体脇前後を縫い合わせる時に、3cm折り込むだけで自動的に出来ちゃうズボラ向きの作り。

Flappouch_back

ざんぎり頭のバックスタイルです。
後ろにも表情を持たせたかったので、フラップは本体口に挟まないで、最後に縫い付けました。

Flappouch_top

6点の共通点は、フラップに無地のリネンを使い、本体共布のくるみボタンを中心にシンメトリーなアクセントモティーフを付けた事かな。
ボタンとかビーズ、リボンやレースなど、少し残っていても捨てられずに大事にとっておいていませんか?
このような機会に、こういった形で使い切ってしまうのも面白いですよ。

では、順に1点ずつモティーフの詳細を。

Flappouch_cy

ヴィンテージボタンとリボンの組み合わせ。
画像では見えにくいですが、ボタンの2穴間には小さな赤いビーズを通しています。

Flappouch_sb

涼しげなブルーの本体生地に合わせて、透明感のあるビーズを付けてみました。

Flappouch_co

オフホワイトのワッフル地を手縫いで縫い付けたら、回りを刺繍糸で刺し子風にステッチし、ゴールドのボタンとリボンを取り付けています。

Flappouch_mg

こちらは厚地用のミシン糸でモティーフを編んでみました。
クラシカルな雰囲気にしたかったので、ウッドビーズで大人しく。

Flappouch_nb

本体のバラと同色の綿糸で立体的に花びらを編み、他は刺繍です。

Flappouch_mb

以前ネットで布を購入した時に、オマケで貰ったレースを縫い付け、本体の残り布から花びらを作りました。

着物の洗濯もそうですけど、一度に同じ物を沢山作るのも飽きますね。
同時進行は3点くらいが限度かも。
型紙は既にデジタル化してありますが、製作途中を撮影してなかったもんで、今度作る時にでもレシピを残してアップできればと思います。

2009年10月21日 (水)

古物商許可証

ジャジャーン!無事取得しております。

Kobutusho1

Kobutusho2

先月18日に申請し、予定では来月中旬受け取りのはずが、何でか早々と今月7日に交付されました。
ゆっくり構想を練る暇も無く、ちょいと焦っております。

諸経費含めて2万円も掛けて取得しようと思ったその理由は、廃品回収業を始める訳でもリサイクルショップをオープンさせる訳でもありません。
ただただ、古布を使った手作り品を世に出したい為だけでございます。

具体的に申しますと、
・今後、古布で出来た作品は、新品とは言えないんじゃないの?と言ったご指摘を受ける可能性があります。
信用の意味でも取得の必要性を感じておりました。
・気分転換も兼ねて、年に3~4回は神社・仏閣の境内で開催される、骨董市や手作り市に出店したい。
これが一番の目的でして、古物商許可証がないと参加資格が得られないのです。

では、ネットでの販売はとなると、
・自前のHPでは、プロバイダの疎明証明書がないと古物営業ができません。
うちのショップページは、基本的に商用利用不可のところを大目に見てもらって、バッグ・型紙を販売させて頂いておりました。
当然、古物営業は出来ませんので、今後のサイト運営は型紙配布のみ継続し、作品は外部のオークションや有料のサービスを利用せざるを得ないのですが、その外部利用に関してはまだ気が進みません。
従って、当方のショップページは年内中にリニューアルするつもりです。

いずれにしても作品の公開は、このブログが一番早いです。
かなりアバウトではありますが、画像をご覧になって、これなら欲しいわ~と思われた作品がありましたら、当面はメールなりコメント欄にてお問い合わせください。
宜しくお願いします。

2009年9月30日 (水)

古裂三昧

9月も今日で終わりですね。
いつもなら月日が経つのが早い!とか、あっという間に時間が過ぎた!な~んてボヤくところですが、今月は不思議と長く感じました。
特にシルバーウィーク前辺りからで、図書館で借りた染織に関する本を読んでいたり、ある申請の為の情報収集や出先機関を回っていたりして、普段やらないことをしていたからかもしれません。

ハンドメイドの方も、いろいろ作りたい物が浮かんできて相変わらずテンションが高く、今に始まったわけではないけれど、最近異様なくらい古布にハマっています。
着物を洋服にリメイクするのが趣味の知人曰く、
「昔は市販のカットクロスを集めてキルト作りに凝ったけど、一度着物地にハマると抜け出せなくなる」。
まさに、私もそうなりつつあります。
年を取るにつれ、好みのテイストが絞られるというか、作りたいものの的が定まってくるといった感じでしょうか。

しかし、いざ引き出しを開けてみると、手持ちの古布は僅か。
ある程度の量を持っていないと布合わせが出来ないこともあるし、やる気が起きないのも私の性分なので、先日まとめて古布を購入しました。
今日は、その布群をご紹介します。

Kimono01

箪笥に眠っていた着物を解かれ、そのハギレをセットにしてヤフオクに出品されていました。
ヤフオクは文句無く日本一の売り買いの市場ではあるけれど、チャンスを逃すと二度と手に入らない物が多いですからね。
家庭画報から飛び出してきたかのような、上品な和服地セットがお手頃価格とあって、迷わず入札しました。

Kimono02

こちらの5点は、着物古布を専門に扱っておられる出品者さんから。
私好みばかりで、膨大な出品点数の中からどれに決めようか悩みましたが、木綿古布と並んで興味のある正絹紬をメインに落札(右端のピンク地のみ正絹)。
絹独特の光沢としなやかさは溜息ものです。

Kimono03

性別を問わず、年配の方でも抵抗無く使って貰えるような小物に化けさせます。

Kimono04

藍の型染めによく見られる唐花模様が、何とも珍しいピンクの正絹に。

さて、次はグッと庶民的になります。
ヤフオクで満足したのに、一昨日和物ショップのオープン2周年祭に行ってきました。
実は以前からこの店のオーナーから、作品を置いてみないかと声をかけていただいてまして、今回のイベントには顔を出さないといかんなぁと思っていたんです。
事前情報は、袋一杯に詰め込んだ着物が全て○○○○円の赤字大放出!(悪く言えば、在庫処分)だから、
おそらく中身の見えない福袋状だと思い込み、あまり期待せずに午後からノコノコと出掛けたわけです。
ところが、悔しいことに欲しい着物を自分で選んで詰めて、○○○○円だったんです。

嵐が去った静けさの中、盛大に散らかった着物の整頓を手伝っていたら、出てきました!残り物から福が。
結局2時間かけて物色し、袋に詰め込んでお買い物。
以下はその一部です。

Kimono06

運良く希少な酒袋と更紗のハギレをゲット。
これだけで、充分一袋○○○○円の元が取れました。

Kimono071

未染色らしき、麻の着物と反物。
いずれ柿渋液で染めてしまうつもりです。

Kimono09

染み・汚れ一つ無い、男児の着物。これがジャケットの後ろ身頃だったら、ヤンキー小僧用だわ。
小物には向かないので、ミニタペストリーにでもしますか。

Kimono05

欲丸出しになって、裏地取りの羽織や無地木綿のハギレまで一杯に詰めて一山完成。
高さ60cm、重さは15kgはありそうです。
さすがに物好きな亭主も、これには卒倒しました。

素材・色別に箱に入れ替え、とりあえず押し入れにでも入ってもらって、暇をみて順に解いて洗濯と消毒になります。
形になるのは、何時のことやら。

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